●ジャッキーvsジェットのバトル
リアルなアクションが好きなワタクシめ、実はマスター・ウーピンの動作設計はあまり好みではありません。
なので、アクションのスタイル自体は、シビれる〜とか、カッコイイ〜とかそういうのは感じなかったんですけど、ジャッキーとジェット、2人の魅力を同等に表現できるという点では、やはりウーピンさんが最も適任であったろうとは思います。
ジャッキーがジャッキーの作品で見せる、あの京劇の要素も入ったテンポのよいコメディチックなバトルや、ダブルを極力使わず自身がやってしまう過激なアクションとも、ジェットがジェットの作品で見せる華麗な武術やリアルなファイトスタイルとも違う・・・なんというか伝統的なカンフーアクションでありながらも力強くリアルでもあって華麗でもある・・・?、うまく表現できないんですが、そんな印象。
でもって、すごく速いんですよ、2人の動きが。もちろんダブルもけっこう使ってます。が、明らかに本人たちがやってる部分(片方本人でもう片方ダブル、両方本人の部分があります)が、すごいです。
アンダークランク(遅回し=通常の速度での再生で動きが早く見える)はほとんどもしくは全く使ってないように見えたので、2人のナマの動きだと思うのですが、ホントに50代と40代のアクションなのかっ?!って速さとキレです。
その上、その年齢まで第一線でやってきている2人の動きの熟練した美しさ・・・。
おそらく、後にDVDなりBRDなりを買ってスローモーションやコマ送りで見て、その時、ほ〜〜〜っと溜め息が出るんじゃないかと思います。
特にジェットの蟷螂拳vsジャッキーの虎拳(?)、スゴイっ!!! どうスゴイかって、ジェットなんかホントにカマキリみたいな動きだし、ジャッキーの虎拳(武術の型には詳しくないので名称が正確かどうかはわかりません)は迫力あって、おまけに何がどうなっているのかわからんほどの2人の動きの速さです。
中国の報道によると2人のバトルは5分間なのだそうですが、そんなに短かったっけ?と思うほどの濃さで、大満足でした。
なにせ、スクリーンでその場面見ている間は、瞬きもせず息止めて見てたかも(いや、5分も止めてたら死んでますからありえないんですが)という状態でしたので(笑)
が、あとになったら、もっともっと見たかった〜〜〜と思ってしまうのは当然の心理。
たぶん、全編2人のバトルでも、見終わったら同じことを思うのでしょう(笑)
中国メディアが公開当初に鑑賞後の観客を対象に調査したところによると、本作品の中国の神話や古典の描き方には奇異さを感じるものの、9割の人がこの作品をオススメできる作品と捉えており、85%人が2人のバトルに満足したと答えたとか。
本場でのこの評価を見れば、どれほどのものであるかご想像いただけると思います。
●ジェットの猿王(孫悟空)
極力ネタバレ回避をしていたので、事前にいくらかの画像は見てしまったものの、動画はまったく見ないで作品を見て大正解。
ジェットの猿王は、超〜〜〜キュートです。
アクションは、大変時間のかかる特殊メイク(最初7時間かかっていたものがのちに3時間にまで短縮されたそうな)と動きづらそうな衣装をつけての上に、ワイヤーとによるアクションがほとんどなので、特別にスゴイっというカンジではないのだけど(といっても、逆にあの姿であのアクションはジェットだからできるんだろうけど)、「斉天大聖」らしい不遜な態度や悪戯っ子のような表情や動き(特にクククと笑うときの手の動きに注目)・・・カワイイというか、とってもおちゃめ。44才にもなって(先日45才になりましたな)こんな表情がまだできるのか&似合うのか・・・(笑)
共演のリウ・イーフェイがインタビューで、「ジャッキー、ジェット、2人の国際スターはどんな感じでしたか」と聞かれて、「李連杰大哥是很可愛(ジェット・リー先輩はとってもカワイイ)」と答えているのをTVで見て、こんな若い子に「カワイイ」と言われとる〜!と爆笑したのだけど、納得。很可愛!
これからご覧になる方、特にジェットファンの方には、できればネタバレ回避でご覧になることを強くオススメいたしますぞ。
●ジェットの黙僧
黙僧(サイレント・モンク)といってもしゃべらないわけではありません。「多くを語らない僧」ぐらいの意味かと。
が、坊さん、似合いすぎ(笑)
数珠を繰りながら瞑想している場面があるのですが、ああやって瞑想してるんでしょうね、普段も。
で、バトルシーンで、白い僧衣の裾をさっとさばくあたりは、相変わらずカッコええ〜!!!です。
そんでもって、うわー、お坊さん、そんなことして!という爆笑場面もあり。
と、こんなところにしておきます。言いたいことはたくさんあるんですが、この役に関しては、それこそ多くを語れないんです。
その理由は、是非スクリーンでお確かめくだされ。
●ジャッキーの魯彦
この魯彦っていうのは、酔拳の創始者と言われている人物というか神仙かなんかなんでしょうか?(よく知らないんですが)
とすると、『酔拳』で世界的スターの仲間入りをしたジャッキーがこの役をやるというのは、ニクイ設定ですよね。
ジェッキーらしいコミカルな部分もありつつ、シブイんですよ、この魯彦さん。いい役です。
で、ジャッキーってやっぱスゴイ。
あの年齢であれだけ動ける人はたぶんいないでしょう。
さすがに近年はダブルも使っているとか聞きますけど(ハリウッドでは使いたくなくても使わざるを得ないでしょうし)、危険なスタントじゃなく、いわゆるカンフーアクションなら、まだこんな素晴らしい動きを見せられるんですね。
少々くたびれ気味の世のお父さん方! ジャッキーは若い頃と少しも変わらず、いえ、若い頃よりもよりすばらしいアクションを見せてくれていますよ。50代でもまだまだ頑張れますぞ!
是非、この作品をご覧になって、若い頃に胸ときめかせたカンフーアクションを今一度楽しんで、元気を出しましょうぞ!
●コリン・チョウ
悪役だけれど見た目で一番カッコイイのはコリンさんの玉疆戦神ではないかと。
この人もほんとにスゴイなと思います。
少し前、ドニー・イェン主演の『導火線(フラッシュ・ポイント)』を見たのですが、その作品では、ドニーとガチンコ総合格闘技アクション対決をやっていましたが、この人は悪役が多いので、その時々の主演(ヒーロー)に合わせてバトルシーンを演じるわけですから、ある意味、アクションの幅の広さでは、この人の右に出る人はいないかもしれないってことですよね。
特に終盤のジェットとのバトルシーンは、すごいっ!
今まで多くの作品でジェットとのバトルシーンを演じてきていますが、今回が一番すばらしいと私は思いました。
ハリウッドでもっともっと活躍しますように!(ウォシャウスキー兄弟の新作に出演との話もあったが出演しないことが決まったとか。残念)
●マイケル・アンガラノ
彼の過去の出演作は見たことないんですが、彼のキャスティングはいいですね。容貌や雰囲気がジェイソンの役にぴったりだと思います。
この作品の核は、心優しいけど少々気の弱いカンフー映画オタク少年ジェイソンが心身ともに成長する物語なわけですから、彼が成長しないことには話にならないんですが、若いとはいえ、そこはさすがにジェッキー&ジェットの初共演作の主役に抜擢されたハリウッド俳優。
物語の進行とともに精悍な顔つき、雰囲気になっていき、最後の方では、すばらしいアクションを見せてくれます。
もちろん現在の撮影技術、効果技術をもってすれば、まったくの素人でもそこそこアクションができるようには見せられるんだと思いますが、ユンファの出演していた『バレットモンク』のアメリカ人のマーシャルアーツアクションは苦笑ものでしたからね、そんなだったら、せっかくのジャッキー&ジェットのアクションも台無しなわけで。
アンガラノくん、相当頑張ったんでしょう。
ある程度の時間をかけて、もしくは短期間で相当のキツイ訓練をして、身体をつくり、基本的な武術の技術を身につけたと思われます。えらいっ!
彼のインタビューとか読みたいものですね。
私がインタビュアーだったらこう聞きます。「当代最高の2大マーシャルアーティストに踏みつけられた気分は?」
ジャッキー&ジェットに踏みつけにされるなんて、ある意味サイコーの幸せモノですぞ、キミは。
今回の経験が彼の今後の俳優人生に大きくプラスになることを願います。
どうか、ドラッグやアルコールの誘惑に負けないで、大成してくださいね。
●リー・ビンビン&リウ・イーフェイ
ビンビンちゃんのキリリとした美しさとイーフェイちゃんの可憐さがこの作品に華を添えてますね。
そんでもって、2人とも、アクションも頑張りましたね。
ビンビンちゃん、あのか細い身体で、よくジャッキーとのバトルを演じきりました。
彼女が演じる白髪魔女は長い髪が武器にもなるんですが、鞭を持っていて、それを振り回します。
M方面の趣味のある男性諸氏は、「それでぶってーぶってー」と思うこと請合いです(笑)
一方イーフェイちゃんは、デビュー当時のツィイーを彷彿させるような可憐なそれでいて芯の強そうな雰囲気で、いいですね。きっと日本でも人気が出ると思います。ツィイーのように濃いおねーちゃんにはならないでほしいなぁ。
2人のバトルシーンは、ウーピンさん、もしかしてちょっとシウトン風にしてみた?ってカンジで(笑)、『HERO』のマギー姐さんvsツィイーのバトルを思い出しました。
●その他
ジャッキーが演じるもうひとつの役、骨董店?質屋?の老店主の名は「霍」という。・・・ニヤリ。
最初のクレジット部分、往年のカンフー映画ファンには泣けるつくり(笑)
●ブルース・リー
作品中、「ブルース・リー」の名が出ます。そこ笑えるんですが。
彼がもし生きていたら、今年68才。
この作品やこの作品の中でのジャッキー&ジェットのアクションを見たら、なんて言うかなぁと、心の中でこの人が別格の位置にいるワタクシとしては、思ってしまうのでありました。
世界中の多くの人を魅了し、虜にしたブルース。あまりにも強烈すぎたその存在ゆえに、彼を亡くした香港映画界、世界中のブルースファンの喪失感はとてつもなく大きく、必死になってその後継者となる人材が捜し求められることになったわけですが、たくさんの後継者候補が生まれ、消えていき、中にはある程度の成功をおさめた人もいたけれど、なかなかブルースの替わりになれるほどのスターにまではなれず、真にその期待に応えられたのは、ジャッキーとジェット、現在のところ、この2人だけだといっていいかと思います。
その分、この2人に圧し掛かりつづけてきたであろうプレッシャーはどれほどのものであったか・・・。
ブルースが目指していた映画とこの作品とは、方向性が違うかもしれません。
でも、このカンフー満載の作品が全米BOX OFFICEで1位にランキングされたことを、きっとブルースも天国で喜んでいると思います。
●続編に関して
早くも続編が製作されるとの報道もありますが、個人的には、続編よりも違う話でジャッキー&ジェットの共演作を作ってほしいなぁと思います。
この作品はこれで完結した方がいいと思うんですよね。
いくら違うストーリーにしたとしても二番煎じなカンジになってしまうんじゃないかと思います。
2人のうちどちらかが出ないという状況になっても意味はないし。
まあ、ジェームズ・キャメロンが監督するとかなら話は別ですけどね。(あの人は「2」をつくるのがウマイ!)
それよりも違う人物、違う設定、違うストーリーで2人の共演再びって方がまたワクワクすることができるんじゃないかと。
これに関しては、どうなっていくのか、今後も情報を追っかけていかねばです(笑)
オススメ度 4(カンフー映画、ファンタジーがダメでなければ)
(5=絶対オススメ! 4=観て損はない。 3=まずまずかな。 2=観てもいいけど、面白くないかも。 1=観たらお金と時間の無駄。お好きな映画だったらゴメンなさい。)
 | ドラゴン・キングダム[功夫之王/THE FORBIDDEN KINGDOM] 監督:ロブ・ミンコフ 出演:ジャッキー・チェン ジェット・リー マイケル・アンガラノ リウ・イーフェイ リー・ビンビン コリン・チョウ(2008年度作品)
ドラゴン・キングダム公式サイト |
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