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リストマーク 『一番美しく』 

2006年01月28日 ()
映画感想 * 映画
黒澤明の監督2本目となる、戦時下の軍需工場で女子挺身隊として勤労奉仕する少女たちのけなげな姿を描いた作品。

まず一番最初にデカデカと登場する文字「撃ちてし止まむ」。
おお、これが、話に聞いた戦意高揚の標語か…と少々ビックリ。DVDではあるけれど、実物を見たのは初めてだ。
この標語が入れられた時代背景や目的を考えると、決して肯定すべきものではないが、歴史的遺物としてこのまま残すべきだろうと思う。

そして、本編の始まり。
工場(兵器の光学機器部を製造している工場と思われる)に流れる工場長の訓示。臨時増産体制に入るから男子工員は現在の10割増しを、女子工員は5割り増しを製造せいと。だが、これに女子工員たちは不満を訴える。割り当てが少ない、私たちはもっとやれると。
そして女子工員のリーダーである渡辺つるを中心に一丸となって、途中生じるさまざまな問題を乗り越えながら、少女たちは頑張るのである。

ここに登場する少女たちは皆、ひたすらにけなげで純粋だ。
体調の悪い者やケガをする者も出てくるのだが、どの少女も皆に迷惑がかかることを申し訳なく思い、自分のことより仕事のことを優先しようとする。
戦意高揚を目的とした国策映画の体をとっているから、もちろんそういった部分はいくらか強調されているのであろうと想像するが、ここに登場する少女たちの心の美しさには心打たれるものがある。
当時の真実はどうだったのだろうか?
やはりこの時代の少女たちは、このようにけなげに生きていたのだろうか?

で、ふと、思いついた。
ああ、これは私の母の世代の話なのだと。
私の母はこの作品の少女たちと同じ年頃の頃に海軍工廠で働いていたと聞いたことがある。
今度実家に帰ったら詳しい話を聞いてみよう。
今まで、母の戦争体験を詳しく聞いたことはなかったが、子として聞いておくべきだろうと、この作品を見て初めて思った。
そういう意味で私にとっては見てよかったといえる作品である。

尚、渡辺つるを演じた矢口陽子は、この作品に出演した後、黒澤明夫人となったそうである。

オススメ度 4
(5=絶対オススメ! 4=観て損はない。 3=まずまずかな。2=観てもいいけど、面白くないかも。1=観たらお金と時間の無駄。お好きな映画だったらゴメンなさい。)

一番美しく一番美しく
監督:黒澤明
出演:志村喬 菅井一郎 入江たか子(1944年度作品)
東宝 2002-12-21

by G-Tools

[2006.01.28(Sat) 02:55] 映画・DVD感想/クロサワTrackback(0) | Comments(6) 見る▼
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COMMENT

おしらせ
こんにちは。
大道芸観覧レポートという写真ブログをつくっています。
「撃ちてし止まむ」が入った昔の広告などについても
とりあげています。
よかったら、寄ってみてください。
http://blogs.yahoo.co.jp/kemukemu23611
by kemukemu

◆kemukemuさん
コメントありがとうございました。
しかし、大変申し訳ございませんが、私はそういったものに関心がございません。
悪しからずご了承ください。
by けろにあ

わかりました
そうですか。残念です。
「生きる」という映画、私はすきです。
では、また機会がありましたら。
by kemukemu

◆kemukamuさん
はい、申し訳ありません。
by けろにあ

わかりました。
了解しました。でも、映画なども取りあげています。
by kemukemu

◆kemukemuさん
婉曲な書き方をしていたのでは、あなたにはこちらの気持ちが伝わらないようですので、はっきり書かせていただきます。
まず、↓のエントリをお読みください。
http://seaturtle.blog34.fc2.com/blog-entry-466.html
このエントリは迷惑TBについて書いたものですが、コメントに関しても私は同じことを思っております。
つまり、エントリに関するコメント(エントリで取り上げているもの自体に関する感想・意見等もしくはエントリ自体に関する感想・意見等)を書かずに、ご自分のブログの宣伝をお書きになるのは、いかがなものかと思います。
通常、そういうコメントは「スパムコメント」として削除対象としています。
しかし、kemukemuさんのブログは内容がとても充実したすばらしいブログでいらっしゃいますので、当ブログにお越しいただく方がご関心をお持ちになる可能性もあると思い、削除はさせていただきませんでした。
ですが、私は、私の価値基準において迷惑・不愉快と感じる行為をなさる方にもそういう方のブログにも関心を持つことができません。
もちろん価値基準は人それぞれですので、あなたがなさったような行為を迷惑と思わない、あるいは歓迎される方もいらっしゃるでしょう。
が、申し訳ございませんが、私はとても不愉快と感じます。

ネットの世界には、さまざまな価値観を持つ人間がいます。
私の常識がネットの世界の常識ではないですし、同様にあなたの常識がネットの世界の常識ではありません。
かといって、何をしてもよいというわけでは決してないと私は思います。
顔が見えないからこそ、より一層自分の行為が他人を不愉快にしたり迷惑をかけたり傷つけたりしないよう留意する必要があると思っています。少なくとも私自身はそうありたいと思っています。

あなたがあなたのブログでどのようなことをお書きになろうとそれは自由です。
しかし、一歩、外に出られてからなさること書かれること(他人のブログへのコメント等)には、様々な受け取り方があるということをご理解いただければ幸いです。

ということで、大変失礼ながら、今後、当ブログへのコメントはご無用に願います。(コメントいただいてもお返事させていただかない場合もありますが、ご了承ください。)
by けろにあ

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リストマーク 『姿三四郎』 

2006年01月24日 ()
映画感想 * 映画
武士の時代から続く柔術と新興の柔道が対立する明治時代を舞台に、柔道と出会った青年姿三四郎が柔道を学ぶことで人間として成長する姿を描く、黒澤明の監督デビュー作品。
戦時中に制作されたため、公開翌年の再上映の際に、監督を含む制作サイドに無断で多数の場面がカットされてしまい、しかもカットされたフィルムの多くが紛失したままとなって現在に至っているらしい。時代を考えればいたしかたないとは思うが、非常に悲しむべきことである。

個人的には、原作を読んだこともないし、こういう話にはあまり興味もないのであるが、不思議と面白く見られた。
もちろん後の代表作ほどの豪快さや大胆さはまだあまり見られないし、登場人物たちの戦う姿(柔術や柔道)なども決してリアルとはいえないのであるが、妙に物語りに引き込まれた。
最も印象に残ったのは、三四郎が道端に脱ぎ捨てた下駄が風雨にさらされ、犬や子供におもちゃにされたりする映像で時間の経過を表現しているところ。ああ、こういうの最近はあまり見なくなったけど、「映画的」だなぁと。
あと、 ラスト近くの月形龍之介演じる檜垣源之助と三四郎の戦いの場面は、後年の『用心棒』や『椿三十郎』といった代表作の片鱗が垣間見えるすばらしい演出だった。
また、大事な言葉はきちんとセリフとして登場人物にしゃべらせているが、場面の状況や人間関係などは映像で表現することを主体としていて、説明的なセリフが少ないことに、映画の本来の姿を見た気がした。

尚、マスターフィルムの傷みが相当ヒドいようで、随所にキズがあるのはもちろん、DVDであっても音声がかなり聞きづらいので、日本語字幕でご覧になることをオススメします。

<余談> 姿三四郎のモデルとなっているのは、会津出身の西郷四郎。かの西郷頼母の養子である。
会津若松市HP あいづ人物伝 西郷四郎のページ

オススメ度 3
(5=絶対オススメ! 4=観て損はない。 3=まずまずかな。2=観てもいいけど、面白くないかも。1=観たらお金と時間の無駄。お好きな映画だったらゴメンなさい。)

姿三四郎姿三四郎
監督:黒澤明
出演:藤田進 大河内傳次郎 月形龍之介(1943年度作品)
東宝 2002-10-25

by G-Tools

[2006.01.24(Tue) 14:43] 映画・DVD感想/クロサワTrackback(0) | Comments(0) 見る▼
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リストマーク クロサワ作品 

2006年01月19日 ()
いつも行っているレンタルビデオ屋に、最近、2002年に発売された東宝の黒澤明作品23本のDVDが入荷した。
実は、黒澤作品は数えるほどしか見ていない。
見たのは、『七人の侍』『用心棒』『椿三十郎』などの有名作品と自分がひとりで映画館に行ける年になってから製作された作品のうち3本くらいだ。
映画好きのひとりの日本人としては、今もなお世界中の映画監督に影響を与え続けている黒澤明作品をやはり可能な限り見ておくべきだろうと思う。
ということで、今後、製作年度順に見ていく予定です。

黒澤明 東宝DVD オフィシャルサイト
黒澤明 東宝DVD オフィシャルサイト
注:レンタルには特定映像はありません。

READ MORE

順番間違えないようにメモしときます。

クロサワ監督作品

まあだだよ(1993) 監督/脚本/編集
八月の狂詩曲(ラプソディー)(1991) 監督/脚本/編集
夢(1990) 監督/脚本/編集
乱(1985) 監督/脚本
影武者(1980) 監督/プロデューサー/脚本/編集
デルス・ウザーラ(1975) 監督/脚本
どですかでん(1970) 監督/製作/脚本
赤ひげ(1965) 監督/脚本
天国と地獄(1963) 監督/脚本
椿三十郎(1962) 監督/脚本
用心棒(1961) 監督/脚本
悪い奴ほどよく眠る(1960) 監督/製作/脚本
隠し砦の三悪人(1958) 監督/製作/脚本
蜘蛛巣城(1957) 監督/製作/脚本
どん底(1957) 監督/製作/脚本
生きものの記録(1955) 監督/脚本
七人の侍(1954) 監督/脚本
生きる(1952) 監督/脚本
白痴(1951) 監督/脚本
羅生門(1950) 監督/脚本
醜聞〈スキャンダル〉(1950) 監督/脚本
静かなる決闘(1949) 監督/脚本
野良犬(1949) 監督/脚本
酔いどれ天使(1948) 監督/脚本/作詞
素晴らしき日曜日(1947) 監督
わが青春に悔なし(1946) 監督
續姿三四郎(1945) 監督/脚本
虎の尾を踏む男達(1945) 監督/脚本
一番美しく(1944) 監督/脚本
姿三四郎(1943) 監督/脚本

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[2006.01.19(Thu) 22:25] 映画・DVD感想/クロサワTrackback(0) | Comments(2) 見る▼
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「生きる」が好き(^^)
by おぺ

おぺさん
『生きる』、私は一部しか見てないんですが、
ウチの相方もすごくいいと言ってます。
早く見たいけど、順番順番。
by けろにあ

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